日本語: ハトゥン・マユの詩

Yaxkin Melchy Ramos

訳: Aya Kojima

ハトゥン・マユとは

文字通り「広いまた、高い河」を意味するケチュア語からの言葉だ。天の川を指すのに使用される単語だ。

絵:Miguel Araoz Cartagena

疲れたら 眠ろう
目を覚ましたとき 耳を澄ませよう
踏み固められた道の深さの中で
そして星を見ながら
ゆっくりと休もう

2015年8月30日
ペルーにて
『Poemas del Hatun Mayu 〔ハトゥン・マユの詩〕, Hanan Harawi, 2016』から


種への賛歌

落ちていった種を訪れる一枚の葉のように
ぼくはどんぐりをたずねていく
そして一緒に踊る
雲一つない青空の下で
ぼくの心は歌う
この種のように
地球に根をおろし
しっかりした地面を見つけ
風の歌に耳を澄ませ
葉っぱの世界をたずね
星の光を見つめる
この種のように
いたいけで神聖な心にまかれた
この種のように
そして輝き 優しさにくるまれて育ち 
岩の中の詩のように花開く
星たちが旅をする
樹液の中の神秘を解き明かしながら
そして揺れる
育った場所で動く 世界の樹のように

筑波市植物見本公園 2017年12月27日


クリムゾンゴールド

図書館は
沈黙したままではなかった
積み上げた本が
海の波のように聞こえた

風が吹く、
栄光に満ちた満月が
出て、
窓から
光が入る

本のページは
材木の中できらめいていた

木の静脈は
歳月と数多(あまた)の主張を通り過ぎていた

言葉の上に
過去の氾濫の水たまりだけが残っている
感情の川の、
知識の川の水たまり

旅をしている雲のように
人生は成長した
空気の中で、
大地に触れて
土の上に立ち上がって、
横たわって

図書館は
休み方と病(や)み方を知る
もう一つの身体なのだ

あなたがそれを教えてくれたのだ、
山の仏よ、
願うときに
知識は燃える
そして心の目の繊細な肌は焼かれる

――読まぬ者、
肌の目よりももっと繊細な者が
文章を聞くことができるのだ
心の中で綴(つづ)られていくとき
現れ出る文章を――

谷の一角で、
信仰を失った世紀に
時空の乱気流(らんきりゅう)の中
一匹のカブトムシが
花の中で
眠りに落ちた。

2016年8月31日
アフスコの坂にて
『Meditaciones del Pedregal 〔ペドレガルの瞑想〕,
Astrolabio Editorial, 2019』から


訳: Osato Chizuko

高い川

天の川よ、どこへ行く?
私は山に行く
この地上で
私は川になるために

2018年12月5日
サンタ・クララ・デ・ヤリナコチャ、ペルーにて


しずかな道

どこへでも  
あなたを見つけに  
僕は行く、神よ

人生は変わる。  
しかし僕の服は新しく、
心も新しい
そして、僕の夢はあなたを見るのをやめない

僕の言葉は成熟し、 
僕はそれを連れていく
僕と一緒に持っていくよ

蓮の花を
あなたの足元に
お供えいたします
永遠の心
星屑の
太陽は微笑む
私の中で

どこへ行こうと
これが僕の力だ
世界を渡り
大陸を通り抜け
夜を越える

そうして
天の川の源で
あなたからそれを授かり受けた

様々なことばで
太陽と月を聞き
異なる言語では
星たちは
同じ詩を瞬く

山の子は山を登り
僕の服を通じて年月を越え
僕の言葉を通して年月が経ち
僕の心を通して
思いが通り過ぎる

宇宙の神様、
僕は歌
まっすぐに
家に帰るよ

2018年12月31日
メキシコにて

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